4 遺言でわたせる財産とは
遺言でわたせる財産とは一般的に次のプラスの財産を指します。
しかし相続とは被相続人のプラスの財産もマイナスの財産も相続人が同時に引き継ぐため、プラスの財産だけでなくマイナスの財産にも配慮が必要です。
プラスの財産
- 現金・預貯金・有価証券(上場株式・国債・社債などの他同族会社の株や出資なども含みます)
- 不動産(土地・建物)宅地・居宅・農地・店舗・貸地など
- 不動産上の権利 (借地権・地上権・定期借地権など)
- 貸付金・売掛金・手形債券など
- その他 (ゴルフ会員権・著作権・特許権など)
- 動産 (車・家財・書画・骨董品・宝飾品・貴金属など)
マイナスの財産 - 借金 (借入金・買掛金・手形債務などの支払債務)
- 公租公課 (未払の所得税、住民税、固定資産税など)
- その他 (未払費用・未払利息・未払の医療費など)
- 預かり敷金・保証金など
- 保証債務
また墓地、霊廟、仏壇、仏具、神具などは相続税法上の非課税財産になっていますが遺言ではこれらの承継者も記載します。
生命保険や死亡退職金は民法上の相続財産の中には含まれません。
しかしこれらの金銭は相続発生と同時に支給され、 相続財産と同様のものであるため、相続税法ではみなし相続財産とされています。
これらは当初の契約等で受領者が指定されているため遺言がなくても特定の者に財産を分配できることになります。